『見返りを求めないほど』
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27歳で生命保険の会社に就職した古田さん。
しかし、そこで見たのは、ノルマに追われる現場。
「これではお客さんに喜ばれない」と、1件も契約を取らないまま2ヵ月で代理店として独立。
ここからが大変でした。
知り合いに電話しても嫌がられてまったく契約が取れない。
結婚もして子どもも生まれたばかりだったため、これから家族をどう養っていこうかと不安でいっぱいになった。
朝起きると寝汗でびっしょりなんてこともしょっちゅうでした。
この時、仕事の目的について真剣に考えたそうです。
そして、たどり着いた仕事の目的は「お客さんに喜んでもらうこと」
でした。
もし、1日3人の人に会って、その3人を喜ばせることができたら、1年で1000人の笑顔をつくることができます。
1年で1000人の笑顔をつくれたら、その時は、自分の家族くらいは食べさせていけるんじゃないかと思えたら、
初めて仕事に対してワクワクしてきたのだとか。
そして、この1年は、ひたすら出会う人の喜びのために生きてみようと決意した。
1年やりきってダメなら、もう保険の仕事はあきらめよう、と。
セールスをすると嫌がられるので、
自分からは営業の話はしないと決めた。
また、人を笑顔にするには、まず自分を幸せで満たすことが大事だと考え、毎朝シャワーを浴びる時に、そのシャワーを「幸せのシャワー」だとイメージして自分を幸せに満たしていきました。
そしてシャワーを浴びながら、今日出会う予定の人の最高の笑顔を想像するのです。
また、自分を幸せで満たすために、スケジュール帳には一番大切にしたい家族との時間を優先的に書き込むようにしました。
初めは、お客さんもいないから、お母さんと実家で飼っている犬を喜ばせることから始めたそう。
そうこうするうちにお客さんができ、そのお客さんがまたお客さんを紹介してくれるという、いい流れが始まったのです。
とはいえ、ベストを尽くしても、保険を契約してくれない人もいて、そんなことが続くと、さすがにストレスを感じることもあったそうです。
それでも毎朝、シャワーでハッピーを満たし、「喜ばせたい人リスト」をつくり、彼らを大好きだという気持ちで会いにいっていた。
そして、その人たちの悩みを聞いたり、夢を聞いたり、自分にできることがあれば純粋に応援し、「今日、古田くんと会ったら笑顔になれた」と言われたら、その日の営業はマルにした。
すると、どうなったのか?
想いを尽くした相手が契約してくれなくても、なぜかまったく別の人から、不意な大口契約が決まるようなことが続いたのだとか。
そして、そんなことが何年も続いたのです。
それで古田さんは確信したのです。
見返りは一切、求めなくていい。
むしろ見返りがない時ほど、まったく関係ない明後日の方向から大口契約の話が舞い込んできたりする。
だから、もう、見返りなんか気にしないで、余計なことは考えず、ただただハッピーな気持ちで自分を満たして、上機嫌に幸せを周りに投げかけ続ければいい。
古田さんは、そんな境地に至るのです。
すると、そこからは加速度的にお客さんがお客さんを呼び、いつの間にか1000人を超えて、なんと全国の保険セールスマン150万人の頂点に輝いていたのです。
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「パズるの法則」
ひすいこたろう × 吉武大輔 著
大和書房より